BLぽいとはどういうことなのか?

■BLぽいとはどういうことなのか?

職業カタログというBLマンガ本のなかで、TATSUKIという漫画家があとがきにて、

全然BLぽくない話ですみません…反省。
今年の初夢は(以下略)

と書いていた。一体、BLぽくない話とは何かというと。
ヤクザの若頭が、組長のダメ息子を教育させるために、組で働かせるというもので、
ラストのダメ息子の寝顔を若頭が見つめているシーンなど、充分にBLっぽいのだと思うのだが。

恋愛要素がないから、BLっぽくないということなのだろうか?
典型的なBLとは、どういう展開なのか。
もう最初からホモが登場するのがアタリマエというか、何の前提もなく、美形が登場したら、男性同士で出来ているとか、葛藤もなく男同士でSEXするのが当然みたいなセカイ、なのでしょうか。
そういうBLについては、JUNE世代の人に聞いてみたら、BLって、軽い感じの話なのよね、という話を聞いたことがあり、これは彼女の初めてBLという言葉を聴いたときの印象によるものなのだそうだが、JUNE系に比べて、ポップであるのだと。まあ、これは個人的なものあるのでしょうけど。
自分の典型的なBLというので思い浮かぶのは、ちょっと古いといわれそうなのですけど、葛藤を経たりしながらもオマエだから好きなんだ、という精神的な意味で強くつながったカップルの物語といった感じです。いや、まあ、典型的なBLなんて、定義できないくらい、何でもアリだというのは、あまりBLよんで居ない俺でも想像できますけど。
TATSUKIの短編では、恋愛関係は全く描かれず、若頭のバカ息子への想いを匂わせているだけなのだが、こういう関係性を描けば、充分、ではないのか?
あるいは、作者は、自分が想像しているのとは、別の意味でBLぽくないと言っているのだろうか。
ここらへんは、全く、分からないです。

ところで、BLを読んでいて思うのだが、BL読者って、かなり保守的な恋愛観を持っていますよね、多分。保守的というと誤解を招くかもしれないが、家柄や社会的地位や生活のためでもなく、ただ純粋な精神の結びつきにより結ばれるカップルが理想ではないかと、思うときがあるのです。確かに、男女の性別役割分担だとか、そういった意味での保守性ではないです。自由恋愛はあっても、しかし、最終的には、精神的な結びつきが重視される、まさに純愛が描かれているように思えます。
こういう風に思うのは、もし純愛だとか、そういうのを好まずただ美形の男性同士のSEXが見たいだけなら、そういう性欲に任せてSEXしまくるだけのBLが氾濫してそうに思うから。恋愛に還元されるものが多いように見受けられるのですよ、自分が読んだ範囲では。

と、投げっぱなしで終る。