山本弘の「オカルト番組のウソを暴いちゃえ!2」

今日は新宿のロフトプラスワンでこんなイベントがあった。

「オカルト番組のウソを暴いちゃえ!2」
あの企画が帰ってきた!
「オカルト番組なんてウソに決まってる」そう決めつけるのは簡単。でも、よく調べもせず、証拠もなしに否定するのはフェアじゃない。きちんと証拠を見せてやろうじゃないか!
と学会会長・山本弘が、これまでコレクションした多数の番組の中から、超能力者のトリックやスタッフのヤラセの決定的証拠を見つけ出し、実際に現場に出かけていって検証する。あなたも目を皿のようにして画面を見つめ、ダウトを発見しよう!

【出演】山本弘(と学会会長)

Open 18:30 / Start 19:30

上記の様に、オカルト番組に色んなツッコミを入れていくイベントである。第一部はオカルト、第二部はUFOについての番組に突っ込みを入れながら、進行していく。


第二部のUFOのコーナーでは以下のようにUFOの存在を否定していた。


しかし山本弘氏の指摘だけでは、UFOはいないという決定的な理由とはならない。確かに、山本氏の言うとおりに説明は出来るが、それがいないという証明になっているとは限らない。その証拠に彼自身も「〜〜だと思います」と注意深く断定を避けながら説明していたのである。これは彼自身が自分の説明に100%確証を持っていなかったのが理由だと言えるのではないであろうか。


・UFOと米軍機がいっしょに飛び回っている写真を山本氏は同じ形の木の枝が反転して写っている事を理由に模型であると説明しているが、本当であろうか。思うに決定的瞬間を色んな角度から記録しようとした結果、飛行機自体が反対側からたまたま反転した姿勢で飛んできたためあたかも模型と枝が反転しているかのように見えてしまう事も十分あり得るし、そのように考えたほうが自然である。。あるいは一枚目の写真の流出を止められなかった勢力が関係者に手を回し、「模型と枝が反転している」ように見える写真を製造し流出させたのだと考えることも出来るだろう。



・空間移動をするUFOのフィルムについて、それまで揺れていた木の枝がUFOの空間移動直後に停止している事を指摘して、このUFOフィルムがでっち上げだと説明していたが、これこそUFOの空間移動が起こった証拠であると言えるだろう。UFOを目撃した際には飛行機の計器がおかしくなったりと機械の調子が悪くなる事が報告されている。このフィルムを撮影した時も、UFOの未知のパワーによって天候に影響を与えた、あるいは近辺の樹木の生態に影響を与えたと考えることは出来るのではないだろうか。そもそもUFOの空間移動のように未知の現象を目撃した場合に風で木の枝が揺れるなどといった、まさに枝葉のような問題に着目せず、何が起こってもおかしくないという謙虚な気持ちで洞察することが必要であり、そうでないと木を見て森を見ずという状態になりかねない。


・あるUFO写真では画面に映りこんでいるフェンスか網目の物体よりUFOが手近にあることを説明して信憑性を疑っていたが、それだけでは超小型UFOの写真であることを否定できない。UFOが未知の存在である以上大きさが実在の判断に影響を与えることは出来ないであろう。


・地球周回軌道上のスペースシャトルから撮影されたというUFOの正体を氷だと説明するが、それではUFOを追いかけるように発射されるミサイルの正体は不明である。あれはいったいなんだというのだ。これも氷だというのであろうか。


NASAテレビ番組で地球の表面を猛スピードで移動するUFOを山本氏は背景が上下逆転して反射していることからレンズと同じ性質すなわち、これが水滴であると説明していた。しかし、UFOの飛行原理がもし重力制御であるならば、UFOが推進する際にUFOの周りを重力場が覆って所謂重力レンズのような働きをしている、こういえないだろうか。UFO自身がレンズと同じ性質を持っていると考えるのは決して不自然ではあるまい。
このような決定打に欠け、さまざまな可能性を排除した説明では、納得出来ない。


ナチスが製造していたUFOから降りてきた士官がパンを買ってきて欲しいとお願いしたというエピソードをあり得ないとろくに検証もせず否定。しかし第二次世界大戦の記憶が覚めやらぬ中アメリカの地でナチスの軍服を来たまま食料を確保することは困難である。目撃者は飢えたUFOの乗員に哀れさを感じ、パンを買いに走ったと考えるのが、人情として妥当である。


不思議なのは、そのUFOから士官が降りてくる映像を見るや山本氏からの説明もないのに笑い出す観客が多数いたことである。
もし彼らが番組の嘘を検証しようとしているのであれば、笑う前に先ずは謙虚に情報を整理することが最優先である。しかし、彼らは思わず笑い声を漏らしてしまった・・・。
そう、彼らはUFOとみれば、すべて出鱈目であると条件反射してしまうように訓練されてしまっているのである。
彼らはUFOの実在を否定する勢力の情報操作にもっとも過敏に反応してしまった人々、つまり情報操作に乗せられやすい人たちである、ということが出来るであろう。
そのように考えれば日本では、かなりの人々が情報操作によってUFO=出鱈目で笑うべきものと洗脳されてしまっている可能性がある。これはテレビ番組でスパイス程度にちょっとした演出や多少事実を誇張する事以上に大変なことではないだろうか。矢追純一氏もかつて述べていたように、わからないものは研究していくんだという視点が必要だと感じた。
そして大極的な観点から見れば、テレビスタッフがソユーズサリュートを取り違えている事は、むしろ放送するにあたっては宇宙からの訪問者の存在について視聴者に訴えるにあたって、より有名なソユーズの名前を使うことで、もっと大きなインパクトが与えられると判断したからではないか。そういった意味では勇み足とも言えるものの、大きな目的のためには止むを得なかったといえるだろう。
また、テレビスタッフのやらせらしき出来事については、こういうことが出来ないであろうか。
つまりテレビ番組のスタッフというものは周辺に疑いを持つ者がいれば、無意識にトリックを使ってしまうのである。
また、ある番組では、超能力捜査官マクモニーグルが指示した場所にあった建物の色が、実際の建物の色と違っていたということであったが、これは思うにスタッフの目には彼に指示されたとおりの色で見えていたという事ではないか。そのため、プロのテレビマンであるスタッフは無意識のうちに意識にカメラの色を合わせたのである。

月の裏側の写真にしても、念写写真に残留したイメージがスタッフに無意識のうちに影響を与えたといえるのではないだろうか。


そうした無意識のうちに使われる”トリック”のメカニズムにこそ、心霊現象のなぞを解くカギが潜んでいるのではないかと、一歩下がって、冷静に考えてみる必要があるのではないだろうか。


とビリーバーになったつもりで考えてみたが、駄目だ、あんまり面白い事思いつかないし、言えないですよ?
イベント自体は、前回と大して変わらないです。山本氏のトークスタイルは基本的にはRPGゲームマスターなんだろう説。近頃のイベントには珍しく、客席に話しかけるスタイル。やっていることは、と学会のデバンカー系(Debunker)のネタと変わらないんですけど、見せ方が変わると印象がガラッと変わります。それに、テレビ番組のウソを暴くために身体を張って取材しているところが素晴らしいです。くだらない番組を全力で否定するのが楽しさの理由です。


元になった本というか。

超能力番組を10倍楽しむ本

超能力番組を10倍楽しむ本


あと、(2)は、まだ読んでいないのですが、これ古典といっていいのかな?
買ったのは数年前だが、こころの中では、矢追さんを信じていたかった。

世界はこうしてだまされた―さらばUFO神話 (ホット・ノンフィクション)

世界はこうしてだまされた―さらばUFO神話 (ホット・ノンフィクション)

世界はこうしてだまされた〈2〉UFO神話の破滅

世界はこうしてだまされた〈2〉UFO神話の破滅