スピリチュアル

(ネタバレあるよ!)

UFO*1に引き続き、小野寺浩二 せんせいの新刊はスピリチュアル関係。新刊と言っても一ヶ月前に発売していますけど。所詮、このブログは、かたつむりですから。

スピリチュアルぱらだいす 1 (サンデーGXコミックス)

スピリチュアルぱらだいす 1 (サンデーGXコミックス)

読んでみると、昨今のスピリチュアルブームとは微妙に描かれ方のニュアンスが違います。

最近のスピリチュアル関係の本はほとんど立ち読みしかしませんが、心霊の実在は当然のこととして議論などありません。
ただ超自然的なものでも何でも癒しや解決を与えて欲しいというのが昨今のスピリチュアルブームの正体だという印象があります。
たぶん、悩みを解消してくれるのであれば、科学でも超自然でも何でも良くて結果だけを手軽に求める最近の若者の特徴が……云々言い始めても誰も読まないので止めますが、登場キャラクターに心霊の実在を真剣に論争させている辺り(昭和の心霊ブームの香り?)に作者の立ち位置が垣間見えます。

ストーリー展開上作中ではスピリチュアルな現象は実在することになっていますけれど、
全体的に作品を貫くのは、心霊現象を肯定でも否定でもなく、メタに楽しんでギャグのネタに料理しようという作者の姿勢です。
UFOおねぇさんでも様々なUFOネタをうまく調理していて作者のUFO情報への愛が感じられましたが、
・事の真偽を真剣に議論したり、
・安易に信じ込んだり、
・流行だからと取り入れたり、
するだけではなく、古いものから奇妙なものまで、どんどんネタとして盛り込んでいるのが最高に楽しかったです。超常現象の描写のニュアンスとしては、と学会のアレに近いのでしょうか?

そして最後に来るのは小野寺節の熱いながらも小恥ずかしい台詞まわし。
今回の作品でひとつ挙げれば、ラブのラヴへの言い換えなんか、熱いけど恥ずかしい台詞で身もだえしますよ!

今後、心霊現象ネタギャグだけで展開していくだけでなく亡くなった兄?(兄妹設定多いな)を絡ませて少々シリアスな展開になるのかも、、、いや、そう思わせて、意外なネタを投入してくる可能性があるので、油断できない。
次も楽しみですよ!

小野寺せんせいのバランス感覚は容易なスピリチュアル本に見習わせたいものです。あと、本当のスピリチュアル好きの人にこの漫画作品読ませてみたいですけどね。どんな反応を示すのか興味あります。



関係ないけど、オーブの懐疑的解釈>http://www.asios.org/ghost_photo.html#orb


ところでスピリチュアルと名前がついている『愛スピリチュアル』(マガジン・マガジン/2007.9)という漫画雑誌は、スピリチュアルブームにあやかって発行されたものだと思いますが、マガジン・マガジン社だけに、ボーイズラブ系の作家さんが多数執筆していらっしゃいます。漫画や創刊号なのにもう掲載されている読者投稿に描かれる悩みのほとんどが恋やセックス関連の悩みなのが狙う読者層を浮かび上がらせています。*2

*1:

UFOおねぇさん

UFOおねぇさん

*2:そういえば、第二号自分買えなかったんですが、未だ入手出来ないか?伊勢崎ゆずさんなど読んでみたい漫画家が予告に掲載されていたなあ。