出版不況

先日とある場所で出版が非常に厳しいという話を伺ったりしました。
不況なのは、全世界的なはなしですけど。

なんとなく知っていることを適当にメモ。

・倒産情報などを参照するのによく見ていた帝国データバンクのHPに掲載の「業界動向」では出版業について以下のように分析されています。
(出典)http://www.tdb.co.jp/

■長期的な低落傾向に歯止めがかからない状況。雑誌は壊滅的
■「ハリポタ」効果で書籍市場に押し上げ効果を期待だが、最終巻
■大手出店、地方の中小書店の倒産・廃業が進む。同人誌系書店に注目


同人誌系書店は、厳しい業界の状況の中で注目されているそうなのですが、実際どうなんでしょう。

・2007年の出版ですが、書籍9千億円、雑誌1兆二千億円。雑誌の売上が落ちているらしい。
・主要誌の少年コミックス単行本でも初版は少なくなっているらしい。元々大部数だった少年コミック週刊誌はここ十年で非常に部数が減じて居ます。
・コミックス市場はここ十年間5000億円強で推移、最近はコミックスが雑誌を追い越すも、コミックスが横ばいで雑誌が落ちているため5千億円弱まで。
・よく言われるように出版業は1997年をピークに低落しており、その原因はインターネットや携帯の普及とも、高齢社会を反映しての読者離れとも言われています。
・また書店自体も数を減らしており、実際に手にとって本を買う機会が減っているのだと思います。ネット書店があるとはいっても、同じコーナーに並んだ類書やたまたま見かけた本などをつい買ってしまうのは、実際に書店に足を運んでの方が多い気がします。書店の減少はかなり深刻のようで、昨年近所でも数件書店が閉店され困った覚えがあります。先程の帝国データバンクのHPによれば、2008年1月から10月までの書籍販売業者の倒産は40件で前年同期比21%増加、負債総額約290億円なのだそうです。40件というと少なく感じるかもしれませんが、帝国データバンクでは倒産時の負債総額が30億円を超えるものを集計しているので、それ以下の業者はもっと多いと思います。また会社は倒産しなくても規模縮小で閉店となった店舗なども多かったのではないでしょうか。
・いわゆる地元の小さな書店の売れ筋は雑誌だと言う話ですが、雑誌の休刊も多いそうです。例えばファッション誌は広告が減ってしまったりと、雑誌は他の業界の景況にも左右されるので難しいところなのでしょう。
・他にも文庫や新書などの売れ行きが好調という話もありますが、これは裏を返せば低価格の商品が売れているということで、入ってくるキャッシュは減ることになるのでしょう。