「扉を開けて」

81分の映画。とてもたのしかったですよ!

しかし、見終わった後に、どう感想を言えば分からない作品でもありましたよ。

台詞などから当時の空気が分かるのは面白いし、起伏の無い展開や、最初の5分でモロバレなラスボスの正体、それと当時の製作者がファンタジーをどう扱えばいいのか持て余し気味であることなど、見所が多い。あ、何を書いているかというと、原作新井素子ラノベのアニメ版「扉を開けて」のことですよ。原作ってナルニア国物語あたりに強く影響を受けているような気もするのですが、キャラクターデザインが四分一節子さんで、今では人権教育アニメの大御所ですよ。

ファンタジー設定のもてあまし方ですが、原作が手元にないので原作通りの可能性もあるのだが、例えばガイコツ風の岩山が聳え立つ死の谷の背景なんかは、あまりにイメージが安易な気がしてしまうのですが、どうなんでしょう。

主人公の着るビキニ鎧などは、確か新井素子も、なんでこんな半裸で戦っているのか、とアニメのデザインに疑問を呈していたような記憶があるので、ここは原作と違うのだが、敵も半裸で棍棒を片手に襲って来るとか、ヒロイックファンタジーっぽいものを目指したのだと思う。

そういえば、先日観た「超時空ロマネスクサミー」もファンタジー仕立てでしたが、やっぱりビキニアーマーなのは仕方が無いとしても、その上にパワードスーツっぽいのを装着したり妙にメカデザインは凝っているのに、異世界のクリチャーのデザインが野暮ったいなどバランスが悪くて、ファンタジーを消化し切れていない印象でしたが。