同人誌『ぼくのわたしの80年代アニメ』完成しました!

同人誌『ぼくのわたしの80年代アニメ』私は編集と前書きで参加しています。

 

前書きでは、私の住んでいた地方では『超攻速ガルビオン』が放送途中で打ち切られ、あの最終回ですら見られなかった、二重の意味で打ち切られた、といった話を前書きに書いています。なお最終回は越境してくる他地方のUHF局の電波を無理やり受信して観ました。今では考えられないですね。

 

内容は20人の執筆者による80年代アニメ同人誌です! 様々な80年代アニメにまつわる話を是非読んでください。

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『ぼくのわたしの80年代アニメ』です!

 

「ぼくのわたしの80年代アニメ!!」完成間近です!! そこで没原稿を載せてみます。

かに三匹です。おかげさまで同人誌「ぼくのわたしの80年代アニメ」が完成間近です! 8月にはお届けできると思います。

 

自分の原稿は前書きとして、かに三匹と80年代アニメのかかわりを書いたのですが、ページに限りがあり削った部分も多かったです。そこで今回は、かに三匹の原稿で削った部分を再利用して掲載します。

 

(まえがきカット部分)

80年代といえば宇宙戦艦ヤマトが完結した時代でもある。ご存じの通り宇宙戦艦ヤマトは70年代後半から起こったアニメブームの立役者だ。再放送で火がついた宇宙戦艦ヤマトの人気は田舎の小学生の自分にも伝わってきた。年上のお兄さんお姉さんの人気が凄くて劇場前で公開前日から徹夜しているという噂も聞いた。入院先の看護士さんがヤマトのファンでアニメ雑誌も読んでいたらしくすごく詳しかったのを覚えている。彼女には宇宙戦艦ヤマト2のネタバレをくらったりもした。私はさらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たちと同様古代は死ぬのだと思っていたのだが看護士さんはどこからか得た情報で2のラストを知っていたのだ。さて、さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たちは泣けるとも聞いていたがあんなに悲劇的なラストだとは思わなかった。二度とヤマトは目の前に現れないと思った。他の劇場版では、ヤマトよ永遠にも良かった。しかし、完結編は劇場に観に行けなかった。理由は公開時に多くのアニメ映画が公開され競合しており自分は別の作品を観に行ったためヤマト完結編の公開が終わってしまったからだ。アニメブームは一面ではアニメ劇場用作品のブームでもあった。テレビ作品を劇場版として再構成したものが売れていた。またスペースコブラのようにスペースアドベンチャーコブラを劇場公開してからテレビ放送というパターンもあった。だからブームの最中はたくさんのアニメ映画が公開されていたのだ。後年観たヤマト完結編は素晴らしい出来だった。宇宙で馬に乗った宇宙人が襲って来るというロマンあふれる場面があるかと思えば終盤ヤマトの乗務員たちが砂浜を走るシーンもあって感動した。また当時は主人公とヒロインの濡れ場が話題になった。色んな意味で。今でも80年代に観なかった事を後悔している作品である、完結編は。

(カットした理由:70年代の話が主になっているし完結編を観たのが後年だから)

 

ときめきトゥナイト愛してナイトは韻を踏んでいる。80年代の少女漫画原作のアニメとしては印象に残っている作品だ。ときめきトゥナイトといえばセクシーでクールなエンディングである。裸体が見えそうで見えないチラリズムの美学。

(カットした理由:韻を踏んでいるという一節が意味不明、あとときめきトゥナイトのエンディングの話題は手垢がついていると思ったから)

 

パパママババイというアニメ作品がある。詳しくはネットで検索してほしいが反戦メッセージが濃い作品だ。また対馬丸 —さようなら沖繩—というアニメ作品もある。これも反戦メッセージのこもったアニメだ。はだしのゲンのアニメ作品の影響かこうした作品がつぎつぎと作られたのも80年代の特徴だ。火の雨がふるという空襲を描いた作品もあった。こうした作品は後年トラウマになったという感想を聞く事になった。自分が観たのは21世紀になってからだがパパママバイバイは特に兄弟が終盤まで元気な姿を見せてくれて、そこからどん底に突き落とされる展開が泣けるし、これを子供の頃に見せられたらかなりショックだろうなと思った。対馬丸もどんどん子供が死んでいく描写が演出もさえていてそれ故に余計にショッキングな作品であった。80年代のアニメの一ページである。

(カットした理由:作品を観た経験が後年であったから)

 

80年代ではバイクものが流行っていた印象がある。当時は若者と言えばバイクだ! っていう雰囲気があったのかな。やはり。バリバリ伝説やサーキットエンジェルといったものからたいまんぶるうすのような暴走族ものまで。ケンタウロスの伝説のようにドキュメンタリー風味のある作品やデッドヒートのようにバイクをロボットに置き換えた作品などもあった。モスピーダやメガゾーン23のようにバイク変形メカが主役のものもあった。

(カットした理由:ページに収まらないから)

80年代アニメだとアニメのプラレス三四郎好きだった。原作とは全く違う展開だったが。

戦国魔神ゴーショーグンは放送時に住んでいた地域では放送していなかった。だがアニメージュ文庫で小説版は読んでいた。

銀河漂流バイファムとサイコアーマーゴーバリアンは放送当時塾と重なり観れなかったがバイファムは90年代になって観た。

80年代も終わりに近づき始まったチンプイ藤子不二雄作品だが大好きだった。しかし大学生になっていたため、知人には観ている事を馬鹿にされた。いい年をして藤子アニメを観ているなんてと、そういう時代だったのだ、80年代は。

(カットした理由:ページに収まらないから)

 

と言う感じです。雰囲気を掴んで頂ければ幸いです。

第三十二回文学フリマ東京に参加します。

第三十二回文学フリマ東京に参加します。

かに温泉 チ20です。

お品書きは、

・80年代アニメを観てください!!

ベトナムアニメDVDレビュー集

・21世紀の韓国アニメ

・珍アニメ変特撮激闘まつりⅡ

・アニメVHS供養同人誌

・人権アニメ感想文集

そして、

「韓国アニメ大全」

謎の新刊(資料性博覧会に出すものを文学フリマで初売りします)。

久しぶりの文学フリマなので見に来てください。よろしくお願いします。

「ぼくのわたしの80年代アニメ!!」企画書

「ぼくのわたしの80年代アニメ!!」企画書

 

編集

◆参加表明して頂いた方が10人を超えたので同人誌を発行します◆

3月中は加筆修正の可能性があります。

◆同人誌名◆

「ぼくのわたしの80年代アニメ!! ~80年代アニメとの関わりについて~」 

◆趣旨◆

80年代アニメについて、作品や時代とのかかわりの証言を集めたいと思っています。80年代アニメに対する主観的な証言を集めたいと思います。客観的な総括はジャーナリズムや学術的な研究で行われるでしょうし、他の同人誌で出すことが考えられますが、この同人誌では主観的なものを出したいです。主観的な証言は同人誌に親和性が高く、同人誌として出す意味があると思いますし、それが貴重な歴史的な証言となると思います。そこで今回は『ぼくのわたしの80年代アニメ!! ~80年代アニメとの関わりについて~』と題して、それぞれが80年代アニメとどうかかわっているのか原稿を募集したいと思います。今回は前回同人誌『80年代アニメを観てください!!』と違い全年齢を対象に募集したいと思います。

◆方法◆

対象者をネット(ツイッター)で募ることとしたい。10人以上集まれば実行します(追記:有難い事に10人集まったので実行します!)。希望者はツイッター@kanisanbikiまで連絡下さい。今回は年齢制限はなしとします。

◆募集期間◆

参加表明:2021年3月~4月

原稿募集:2021年3月~2021年6月中を想定しています。

◆調査要項◆

・原稿にはペンネームと年齢を記入する。その他の情報は自由記載とする。

・調査は自由回答することで行う。

・字数は1000文字以上。上限は制限なしとします。

・内容は問いません。例えば単なる80年代アニメの思い出といったものでも大丈夫です。自分は80年代アニメとは関わりがなかったという逆説的なものでもかまいません。特定の作品との関わりでも構いません。ただし特定個人・集団への中傷や攻撃ととれる文章などと判断される場合には掲載をご遠慮いただくことがあります。

・対象者別に同人誌に掲載します。また同人誌をお渡しします。

・薄謝出します。でも本当に薄いです。

◆追記◆

なぜ80年代なのか? 70年代や90年代ではいけないのか? と言う質問を頂いたのですが、主催者の趣味と生まれた年代によるものが大です。自分が一番スキな時代です。80年代はアニメブームの最中から始まり、中盤にはブームが失速し、後半には冬の時代に突入するという激動の10年でありました。またOVAが生まれた年代であり、現在の深夜アニメにつながる状況が生まれた時代でもあるため、とりあげる意味があると考えました。

◆80年代のアニメ作品例◆

全てを挙げられないので、あくまで例示です。この他の作品でも勿論構いません!

例えばガンダムであれば80年1月に機動戦士ガンダムが放送終了し劇場版を経て機動戦士Zガンダム機動戦士ガンダムZZ、逆襲のシャアポケットの中の戦争と言った具合。宇宙戦艦ヤマトであれば新たなる旅立ち、ヤマトよ永遠に、完結編と続く。うる星やつら宇宙船サジタリウス王立宇宙軍 オネアミスの翼となりのトトロトップをねらえ聖闘士星矢ミスター味っ子魔法の天使クリィミーマミ機動警察パトレイバー戦国魔神ゴーショーグン六神合体ゴッドマーズ、蒼き流星SPTレイズナーサイボーグ009 超銀河伝説、装甲騎兵ボトムズ、AKIRA、トム・ソーヤーの冒険、無敵ロボ トライダーG7魔法少女ララベル、劇場版あしたのジョー家なき子重戦機エルガイムとんがり帽子のメモルルパン三世PARTⅢ、北斗の拳赤い光弾ジリオン、じゃりん子チエ、スペースコブラチンプイ、きまぐれ☆オレンジロードエスパー魔美魔法使いサリー笑ゥせぇるすまん美味しんぼおぼっちゃまくん鎧伝サムライトルーパーキテレツ大百科シティーハンター、タッチ、おねがい! サミアどん星銃士ビスマルク、名探偵ホームズ、プロゴルファー猿などなど。

……いやこれが抜けてるだろう! というご意見のある方は是非その作品に関する原稿でご参加ください。

『映画 えんとつ町のプペル』観てきたよ!

劇場版えんとつ町のプペル観た。短いが感想を書いておく。

ネタバレあるので気になる人は読まないで。

テーマから見ると本作は、凡庸な劇場版少女革命ウテナである。システムに囚われた、えんとつ町という存在にに主人公が挑む。ウテナの場合はデュエルといった先鋭的な仕掛けがあり、それがこの世界の何らかの比喩であると読み取れる。ウテナとアンシーはシステムとなった学園から逃亡するために自動車に変身する。こういった何これ!? という驚きの演出があった。プペルは、そこはストレートに空も海も隠され世界はえんとつ町だけだという異端審問官の構築した検閲的なシステムがある。主人公は、そのシステムにプペルと共に挑むことになる。ただしプペルは世界の真実の謎よりは家族の話に持っていった感がある。もともと謎の真相は親父が語っていた紙芝居にある。既に回答は出ている。

ただし決着のつけ方は宗教映画的。システムに隠蔽された真実をみんなが知れば解決という構造は例えば幸福の科学のファイナルジャッジメント(実写映画)を想起させる。確かに宗教アニメだと評する人がいるのもわかる。ファイナルジャッジメントが説教により世界が救われるとすれば、プペルは主人公の活劇によるところがあり違いはあるが、主人公の父親のセリフが流れ続ける描写には心に迫るものがあった。またプペルが宗教アニメだと評価される理由のひとつは何の葛藤も無いまま提示される価値観だろう。貨幣の価値についてのアイデアなんかは、その、最たるもので少し置いてきぼりになった。ちょっとサジェストが欲しい所。また主人公の葛藤が薄味なのも宗教アニメっぽさがある。正しいものがある確信が描かれている。システムを皆が知った上でどうするか描けば面白いのにと思う。プペルで面白いのは、えんとつ町は、本来は中央銀行からの解放を目指していた集団なのに、形骸化したシステムだけがのこっていること。で、主人公がしている、えんとつ掃除はシステムに依存した存在であること。多重的な構造。それだけにあの展開はもったいない。構造に対する葛藤がないのは残念である。また世界の謎は親父の紙芝居にあった。そこは仕掛けとしては、それを主人公が信じ貫くことに重点が置かれている。ここでは信じ貫くことの大切さが描かれていて、そこが宗教っぽさを醸し出しているのである。

ただ映像は非常に安定。さすが。映像としての出来映えは非常に高いのである。例えば主人公がプペルと出会うまでの描写は非常にコミカルでありドキドキするもの。トロッコのシーンなどはアニメならではの映像。完成度が高い。非常に楽しめた。プペル、良い刺股アニメ。また、良いドリルアニメ。アニメ映像としては非常に安定している。これは制作者の健闘を称えたい。いろいろ興味深いアニメだった。