「花とアリス殺人事件」

kumaXX2016-08-20

アニメ『花とアリス殺人事件』観る。
面白かった。
この作品、『花とアリス』の前日譚となるストーリーらしいのだが、そういうことを知らずに観ても十分興味深い作品だった。
まず有栖川徹子と荒井花のキャラクターがいい。
有栖川の両親は離婚しているがそうした背景による暗さがあまり描かれず、天真爛漫さが強調されているのが良い。感情を隠さず思った事を行動につなげる。
花も引きこもりであるが、そうしたことによるうしろめたさよりも、好きな相手の動向を知るために行動を起こす部分が良い。
有栖川は、自分を悪魔とからかってきた男子を倒しげんこつで制裁するくらいの強さも併せ持っている。場数が違うというセリフに彼女の過去が気になるところだ。
あと作品のテーマはやはり出会いだろう。
花とアリスの出会いがメインテーマとなっているが、
それに呼応するように一見無関係なおじさんとの出会いが描かれる。
これは人と人との縁が偶然によるものであるという意図があるように感じた。
それを生かすのも生かさないのも人の行動にかかっていると。
おじさんとは積極的に今後につながる縁ではないが、なんかいいエピソードだと思った。
あとロトスコープによる描写。
ロトスコープといえばマッスク・フライシャーの発案による技法だが、実写の映像の動きをアニメにトレースすること。少し生々しさをかんじたものの、作品世界にあっている気がした。