必殺滝沢満月残しをした生徒が先生に呼び出されて説教を(俺の出身校の実話)。

■業魔殿書庫・オタク漫画紹介録第六回レビュー募集「吼えろペン
吼えろペン新吼えろペンについては、
【面:5 オタ:3 パロ:5 共:3 痛:1 萌:5 燃:5】
「業魔殿書庫・オタク漫画紹介録」への参加エントリー。
(参照:業魔殿書庫・オタク漫画紹介録)http://d.hatena.ne.jp/LIT2/20071222/p2

島本和彦氏の漫画は、おそらく、彼の漫画であれば必ず買うという熱心なファンが多いと思います。

島本和彦氏のファンは、個々の漫画作品のファンである以上に、作者自身のファンとして彼を支えており、多くのファンは島本和彦氏から感じられる、熱さ(あるいは熱血)やテンションの高さに感動しているのだと思います。*1もちろん島本和彦氏と炎尾燃は同一人物ではないわけですが、新吼えろペンに出てくる台詞「一緒に高い山に登ってくれそう」なファンが島本氏のファンには多そうです。

20年以上、彼の漫画を読み続けている人も多いと思います。

島本和彦氏の漫画キャラクターの熱さの源泉は何処にあるのか考えてみると、例えばブルース・リー東映特撮ヒーロー作品、石森章太郎作品、など作品から読み取れるもの・本人の発言からなど、拾い上げていけばきりがないでしょう。*2しかし、一番熱いのは、きっと作者自身なのだ! と感じさせるのが、島本和彦作品の魅力のひとつなのだと思います。本当のお人柄は知る由もないのですけれども、こんなに熱い作品を描く人はきっと本人も熱血に違いないという確信を読者に抱かせるのも、作品の魅力だと思います。

今回のテーマである「吼えろペン」、「新吼えろペン」については、前作の「燃えよペン」に引き続き漫画家 炎尾燃を主人公に、漫画を描くという行為が、如何に全身全霊全力で命をかけて挑戦すべき仕事であるかを描いています。読め。(終)

これでいいでしょ?
大体、この作品の魅力を文章で書いても、通り一遍の表現にしかなりませんよ。熱いとか燃えるとか。

ただ、この漫画は、確かに熱血な作品なのですが、それだけに作品のテンションを常に高く維持しようと、島本先生も苦労しているのが読み取れて、たまに痛々しく感じることもあります。大変なんだろうなぁ。自分は単行本単位でしか読んでいないのですが、単行本によってテンションの高さにバラつきがあるように感じられ、描写が空振りしていると感じられたときは、正直言って泣けてきます、それはまるで漫画という巨大生物を操りきれずに翻弄される漫画家を見る思いです。
しかし。
逆に漫画を手のひらに乗せて転がらせている時のテンションは尋常ではありません。
それが、この漫画を読めといえる部分かもしれません。熱いとか燃えるとか言う言葉が、ぴったりとハマる瞬間を読む快楽が、きっと島本ファンを中毒にするのです。

あと、吼えろペンに限らず、島本先生の女性キャラが”どんどんいい女になっている”気がします。大人のオンナ限定というわけではないですが、女性キャラのバリエーションが広がっている感じがします。*3
例えば、初期の頃*4の女性キャラって、正直に言えば、例えばゆかりちゃんなんか、ただの小娘ですよ。別にこの頃の微妙に少女マンガっぽい線で描かれた少女キャラにはそれなりの魅力もありますけど、20年も飛ばして吼えろペンに言及するのは乱暴なんですが、この作品に登場するキャラって、”いい女”分を感じる。年齢は関係ないんですよ。もう、どう言語化すればいいのかわからない、詳しく読み返せばもしかすると女性キャラの立て方とか似てるのかもしれませんが、でも20年前の島本先生には同じ女子高生でも例えば新吼えろペン9巻*5に登場するマン研の部員みたいなキャラは描けなった気がする。

なんだかクールビューティな感じがしませんか。

あとヒロインといって良いののかな?萌については、こういう女性にアニキ扱いされてみたいですよ、俺も。

萌えに高い点数をつけた理由は、以下にもちょこっと書いています。サイン会スタッフが萌えます。
http://d.hatena.ne.jp/kumaXX/20071224

島本先生には、燃える! ばかりじゃなくて、もっと萌え! 萌える! と言っても良いと思います。

*1:と、まるで人事の様に書いていますが、自分も島本和彦氏のファンなのです。ファン自慢なら、例えば中学校の卒業文集に島本氏の漫画について書いたりだとか、コミケで自分の同人誌を島本氏が買おうとした時に「先生からお金なんていただけません」とそのまま同人誌をあげてしまったりだとか、痛いエピソードもありますけれども、上には上の島本和彦ファンもいらっしゃって、俺のファンぶりなど原稿を修正した際に出た消しカスのごときものなので、控えますヨ。

*2:元々、炎の転校生の主人公の滝沢昇もそうですし、炎尾燃もそうですが、ヒーロー作品のキャラクターのパロディ的な部分もあると思います

*3:自分自身の島本和彦オールタイムベストな女性キャラは、根性戦隊ガッツマンのみやむーなのです。本物の宮村優子なんか、比べ物になりませんよ!あまりの素晴らしさに、あの漫画には大変お世話になり(以下略)

*4:島本先生のデビューは必殺の転校生が週刊少年サンデー増刊に掲載されたのが1982年ですから25年も前なんですな

*5:

新吼えろペン 9 (サンデーGXコミックス)

新吼えろペン 9 (サンデーGXコミックス)