■Age,35(柴門ふみ)
- 作者: 柴門ふみ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/09/01
- メディア: 文庫
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主人公の男が関係した女2人が、2人とも個性的で良いです。
特に島田朱美(主人公の妻)のキャラが振るっているんです。
前半までは旦那に浮気される奥さんといいだけの存在だったのが、浮気を告白された辺りから感じはじめた”さびしさ”を陶芸で表現に昇華させていこうとする過程がいいと思いました。
ややもすると夫に裏切られたことが原因で陶芸家と近くなっていくように見えるのだが、夫に浮気された腹いせや穴埋めに陶芸に没頭するのではなく、もともと彼女が持っていた資質が、彼女に土をこねざるを得なくさせていくんですね。それが、夫婦の別れを必然にしてしまいます。
しかも、彼女が、自分の”さびしさ”を自覚していくタイミングというのが、夫から不倫相手が去ってしまい、「やり直しましょう」という台詞を発してから後というのも、彼女が夫と別れて別の人生を「やり直す」しかないという展開を印象付けていて、それもいいです。