ヤッターマン外伝ボケボケボヤッキー

ヤッターマン外伝ボケボケボヤッキー(萬屋不死身之介

第一巻ですが、もう既に第一話からヤッターマンの体裁を成していないのが、素晴らしい。
ドロンボー一味が勝手に自滅するのは何時ものアニメのパターンだが、トンズラーは敵前逃亡するし、オモッチャマは暗黒凶暴キャラになっているし(いくらドロンボーの荷物だからといって置き引きはマズイだろーとゆうシーンがあります)、キャラクター造形が元ネタからフリーなのは、ギャグマンガらしくていいんですが、問題はオチだと思う。ドロンボーが自爆して何もしないまま勝ってしまったヤッターマンが、これじゃあXXXXXXマンだよっ! て(あえて伏字)、そういうオチ有りかー。お前は小学生かー、ってコロコロ連載だから、これでいいのである、きっと。
絵のインパクトも強烈なシーンが多くて、見開きで描かれる、宇宙空間でおしおきされる大量のボヤッキー、ピーマンになったボヤッキーが大量栽培されるオチなどシュール過ぎる。原作原理主義者から見れば(いるの?)酷いものばかりだが、これはこれでありなんだと思います。むしろ、現在の小学生の考えるギャグ版ヤッターマンって、こんなものなのだろうか。


そして、原作原理主義者にとってショックなのは、
いくらギャグとはいえ、ドロンボー一味が、ヤッターマンに勝ってしまう事だろう。
じつにあっさり、しかも非常に情けないシチュエーションで!
20年以上前逆転イッパツマンで悪が勝つ回以来の展開ではないか、なんて思いつかないくらいの、ボヤッキー悲惨な勝利。
本当はタイムボカンシリーズとしてはビックリな展開が気にならないくらい、この漫画、いい意味でくだらなくて、脱力する明作です。

単行本のオチの半分が、ボヤッキーのお尻に何かが刺さるオチだというのも、含めて、みんな読めば。