人権アニメ『生きている』を観る。

命の大切さを扱ったアニメである。なお1996年の作品だけに冒頭は一人っ子である主人公ツヨシが友人と一緒にストリートファイターⅡ的な対戦格闘ゲームを遊ぶシーンから始まる。ふとしたきっかけから兄であるハジメの写真を見つけるツヨシ。兄は生まれつきの病気で生後間もなく亡くなっていたのだ。両親からハジメの話とツヨシの思い出話を聞くことになる。もし兄が生きていたらと想像しながら眠りにつくツヨシはハジメと遊ぶ夢を見る。15分程度の短編であるが「もし兄が生きていたら」という夢を通して生きていることの大切さを訴えかける作品だった。兄は夢の最後に列車に乗って死後の世界に還る。このあたり銀河鉄道の夜を意識しているのだろうか? 石田彰が演じる兄がいい雰囲気である。テーマは決してリセットできない大切な命。ゲームはリセット出来るが実際の命はリセットできないというメッセージが込められているのであろう。北九州市の小学生の書いた詩が画面に映し出される。ラストはみんなでドッジボールをする。監督は池田寛。制作協力は旭プロダクション、リバティシップ。